住宅改良事業の社会福祉的意義は大きい

「公営住宅はそもそも労働者階級の劣悪な居住環境を改善するために生まれ
てきたものであり,その性質上,低所得階層に対する社会福祉施策と密接な関
係をもたざるをえなかった」(荻田・リム;1989,p.9)が,後に恩恵的な救
貧施策から国民すべてが権利として享受できる普遍的な社会保障へと発展した
イギリスでは,公営住宅は質的に大きな変化を経験している。この背景につい
て,荻田・リム(1989)は社会福祉思想の進展と,それに影響を与えた労働者
階級の労働運動などの社会動向や,劣悪な居住状況などの社会問題の深刻化が
関係したと指摘している。とくに,大都市のインナーシティでは,さまざまな
社会問題が深刻化しており,そこで展開された住宅改良事業の社会福祉的意義
は大きい。

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社会福祉的意義をもった公営住宅に対する地理学的アプローチとして注目さ
れるのは,公営住宅の供給を都市の希少資源の配分として着目した福利厚生の
観点であり,その資源配分の行為者であるアーバン・マネージャーへの関心で
ある(Gray;1976,Pinch;1978)。ジョンストン(Johnston;1994)による
と「例えば公営住宅へのアクセスや抵当権付き住宅(mortgages)の配置を
コントロールすることによって,都市地域の内的な空間構造に影響を及ぼす意
志決定をなすのは,プロフェッショナル(専門家)と官僚である。国家機構の
一部として働く官僚は,通常アーバン・マネージャー(都市管理者)と呼ばれ,
一方民間部門(不動産販売のような)に従事するプロフェッショナルはゲート
キーパー(門番)と呼ばれる」。

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わが国の公営住宅が社会福祉的性格より

わが国における公営住宅の性格に関しては,戦後の住宅政策と関連させてみ
ると荻田・リム(1989)は次のように述べている。「日本の公営住宅建設が
『戦災都市応急簡易住宅建設要綱』(1945(昭和20)年)で始められ,1946(昭和21)年からは公共事業として国庫補助庶民住宅が年間4万戸程度建設さ
れ」(p.42),この事業に法的な根拠と恒久性・計画性を持たせるために1951(昭和26)年に公営住宅法が公布された。また,公営住宅の応急的,福祉的性
格3)については「当初から日本の住宅政策は基本的には持ち家取得を促すこと
を目的とし,公営住宅は国民すべてが持ち家を取得するまでの一時的な仮の住
まいを提供するものに過ぎなかった」。

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住宅政策と社会福祉政策との関連から公営住宅の歴史を概観した結果,荻
田・リム(1989)は「戦前の取り組みに比べて,戦後の建設省による公営住宅
政策は福祉政策とはほとんど対応していない」(p.44)と指摘し,この原因を
「公営住宅の性格が戦前の不良住宅地区改良を主とするものから,戦後復興と
都市化のもとでの低家賃住宅の大量建設へと拡大された結果」(p.44)とみて
いる。つまり,これらの文脈からわが国の公営住宅が社会福祉的性格より採算
を重視した住宅経営を主眼としていたことが読み取れる。

しかしながら,公営住宅入居者に関する研究の成果から,わが国の公営住宅
は住宅経営と同時に福祉的性格もある程度果たしてきたのではないかとみるこ
とができる。例えば,公営住宅居住者や世帯の特性に関する事例研究において,
玉置(1976a,b,c)は名古屋市や中部地方の地方都市を事例として公営住宅居
住世帯の職業構成,収入階級における「沈澱層」の存在や多人数世帯や高齢化
などの諸問題の存在を明らかにしている4)。

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外国の公営住宅に関する地理学や関連分野の研究

公営住宅における居住者特性とその変化のメカニズム

都市における住宅問題は,大量の人口流入に住宅供給が追いつかない量的な
住宅不足の問題と,最低居住水準未満の不良住宅の存在にみられるような質的
な問題の2つに大きく分けられる。公営住宅の供給は両者の解決策のひとつと
してあげられ,量的な問題とともに入居時における所得制限により住宅困窮世
帯や最低居住水準未満の世帯へ一定水準の住宅供給を行うこと,および住宅改
良事業を含む点において,社会福祉的意味を強くもつ住宅供給として位置づけ
ることができる。地理学においては尾藤(1985)や北畠(1992)による事例研
究があるが,いずれも開発時期区分による公営住宅の立地に焦点があり,公営
住宅のもつ社会福祉的意義に関連させたアプローチはみられない’)。

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諸外国の公営住宅に関する地理学や関連分野の研究では,低所得世帯への福
祉というよりも自然発生的集落の制御の手段として公営住宅計画を行うホンコ
ンの事例(ドワイヤー;1984)を例外として,クアラルンプルにおけるスラム
対策の低所得者向け公的住宅の建設(生田;1989)の事例にみられるように,
発展途上国においてはスラム対策や市街地の再開発と関連させた公的住宅の供
給が特徴である。また,国により多様ではあるがイギリス,フランス,オース
トリア,イタリア,ベルギー,旧西ドイツなどのヨーロッパ諸国やアメリカ合
衆国においても公営住宅は,スラムクリアランスや難民・移民対策2)などの特
定目的をもつものもあるが,主に低所得者を対象とした供給が中心である
(White;1984,Johnston;1984a,Knox;1987,Smith;1989,富岡,1992)。

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集合住宅主体の住宅団地

7)建設業や製造業関係の社宅は,住宅団地内には少なく,住宅地図によると2住宅
のみである。
8)前田・酒井(1982,p.147)によると,千里ニュータウン内の集合住宅はA(府住
宅供給公社による分譲および賃貸),B(公営住宅),C(公団賃貸および分譲),D(給
与住宅)となっており,A~Cの公共住宅は収入状況によって,上から順にC,A,
Bと,居住者を階級区分している。また,前田・酒井(1982,p.148)によると,公
共住宅が収入によって階層区分しているために,居住者内で差別意識を発生,助長
させる事態を招来していることが紹介されている。また同じB(公営住宅)の団地で
も,公営住宅法により一,二種と区分され,差別意識を生み出している点を指摘して
いる。

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9)男山団地について概略すると,「日本住宅公団20年史」(1975)によると男山団地
は公団施行の土地区画整理事業として1965年に着工され,施行面積は1,856,494m2(合算減歩率は33.3%),計画人口32,000人であった。造成用地は当初の公団資
料では京阪本線八幡市駅からバスで10分とあるが,現在は楠葉駅からのバスの便数

や所要時間においても利便性がよい。宅地開発事業用地の処分は1970年から1973
年においてなされ,処分面積は1970年は大部分が公団住宅建設用地の占める割合が
90%弱(320,544m2中281,024m2)であったが,1973年には分譲用地が46%
(160,560m2中86,712m2)を占めるようになった。1970~1973年の事業用地の処分
面積は624,124m2であるが,分譲用地は128,866(20.6%)m2,公団住宅建設用地

は495,258m2(79.4%)となっており,集合住宅主体の住宅団地といえる。これら
の集合住宅のうちわけは,居住室数2室が790戸,3室が3,140戸,施設付きが14
戸であった。ちなみに供給当初における賃貸住宅の家賃は2室が19,400~20,600
円,3室が20,600~25,800円であった。

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ジェネレーション・ミックス

以上のように,本章では住宅の種類ごとに居住者特性が異なり,供給される
住宅の単位ごとにセグリゲートされた居住空間が形成される。これまで都市計
画段階においては,主に社会階級の混合に目が向けられていたが,これまでの
住宅が大量に供給された民間の宅地開発では,供給が短期間に集中していたた
めに,年齢階級の偏りが形成されやすい傾向にあった。今後の住宅開発への提
言として,まず開発期間を長期化することによるジェネレーション・ミックス
(すなわち世代混在)をはかること,また今回は分析できなかったが,社会経
済的階級の融合をはかることも重要である。その方法として住宅団地内にさま
ざまな所有形態や建築形態,またさまざまな賃貸料,分譲価格を持つような開
発形態,つまり社会階級の混合だけではない,入居時期の分散化などより幅の
広いミックス・ディベロップメントの採用が望まれる。

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注)
1)例えば,三村監修・荻田・リムボン(1989)や下山ほか編(1979),社会保障研究
所編(1990),五井・丸尾編(1984)などで,日本の住宅政策が持ち家優先政策であっ
たことが述べられている。
2)本研究では,都心を中区紙屋町交差点として,都心から5km未満を市街地近接地
域,5~10kmの地域を市街地周辺地域,10~20kmを近郊地域,20km以上を遠
郊地域とした。
3)キルピメーターで,中区紙屋町交差点のバスセンターから各住宅団地内や最寄り
のバス停までのバス路線の距離を計測した。
4)因子得点の絶対値l.0以上を高得点とした。
5)資料として中国不動産研究所編「昭和57年度版地価図一広島都市圏一」から作成
した広島大学地理学生の会編『都心周辺部における中高層住宅と郊外住宅とのかか
わり』(1981;p.21所収,未刊)の地価分布図を修正した。
6)とくに,東区牛田地区・戸坂地区や西区己斐地区・高須地区などの住宅団地内に
は,各種大企業の社宅や民間の集合住宅が多い。

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子供専用の個室

.誰もがもっている子供部屋.

まず、いったいどのくらいの比率の子供が専用の個室を持ち、それは何歳ぐらいの頃からなのでしょうか。また、それはなぜ必要だと考えられているのでしょうか。・急速に普及した子供部子供部屋という子供専用の個室を住居の中に取り入れるということは我が国では大正時代以降といわれています。この頃、大正デモクラシーの影響を受けて、それ以前の接客重視型の住まいに対して家族空間を重視した形として提案された中廊下型住居の中に子供部屋が登場したといわれています。その後、一九五○年の段階で既に京都・奈良・金沢の小学校五・六年では子供専用の部屋がある家庭は三八・○%、他の用途にも使うのが一七・八%、場所だけが決まっているのが三○%、というように、次第に住まいの中での子供の空間が確立されるようになりました。比較的最近の調査結果によれば、こうした傾向はさらに強まり、調査によって多少の違いはありますが、我が国の場合、高校生以降では七.八割が専用の個室を与えられています。兄弟姉妹との共用を含めると、すでに六.七歳の段階で七割の子供が大人の部屋とは別の空間を与えられています。ただ、合衆国の状況と違って、異性の兄弟姉妹との共用が比較的高いのも特徴です。業者が所有している資格よりも重要なのは実績でしょう。←こちらから業者選定への情報収集を始めましょう。

犬の件:セントマーキング(匂いづけ)と呼ばれますが、それはまさに、その場所について匂いによって所有を誇示し、自己主張するものです。

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住まいの中の私的空間

住まいの個性化、個性的な居住空間の設定が私たちの心理や行動にとって果たす意味を考えてみました。他方、個人の自立やプライバシーの確保がいわれる今日では、居住空間における居間のような家族が集まる公室とプライベートな使い方を保証する私室(個室)の関係がどのようになっているかが家族関係や子供の発達、あるいは大人の心理的安定にとって重要な意味をもちます。そうした意味から、住まいの中の私的空間、個室について、子供の空間(子供部屋)、大人の空間、高齢者の空間というようにライフサイクルの軸に沿って考えてみることにします。間取りは非常に重要です。←こちらのサイトからいろいろな間取りを参考にできます。
1.子供部屋の功罪子供が成長するにつれ親の頭を悩ませるのが子供部屋の問題です。個室を与えることがその子にとって良いのか悪いのか、下手に与えて非行の温床になりはしないか、あるいは与えるにしても、それは何歳頃がよいのかなど、躾や教育の面から気になるところです。そのためか子供部屋に関する議論はこれまでも教育学、建築学、心理学などさまざまな分野でなされてきました。そしてそこでも子供部屋の是非については意見が分かれています。しかしその多くは論者の教育観・人間観が先行したもので必ずしも具体的なデータに基づいたものではありません。そこで、ここではできるだけ資料に基づきながら、子供部屋をどうするかということを考えてみたいと思います。

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家の個性化

住まいを自分の個性や社会的・経済的地位にふさわしいものにすることのもう一つの、そして実際的にはより重要性をもっている側面は、そうした個性的な家づくりが住む人の心理的健康に密接に関係していることです。
・家・居住空間の個性化は社会的交流を促進する空間の個性化と居住者の心理との関係を、まず、社会的交流という点から考えてみます。動物のなわばりの場合、印づけの主要な機能は他者を排除することにあります。しかし人間の場合、この個性化は他者に対して常に排他的に働くわけではなく、逆に他者との交流を促進する場合もあります。既に述べたように家によって表される自分には、個人的な好み・趣味といったものから自分の属する民族・文化の成員に共通する行動傾向まで、さまざまな次元があります。したがって自己表現といっても庭木にどういった植物を植えるかとか、家族の写真をテーブルに飾るといった非常に個人的なレベルから、自分の属する民族に固有の造りを取り入れるといった場合のように文化的・社会的なレベルまであります。ところで、不動産といえば、←こちらのサイトがお勧めです。このことは逆に、家に表現されているある特徴は同じ好み。考え・趣味を共有する人にとってはそこに同好の士ないしは同郷人のいるというサインになり、彼らをそこに集めるきっかけにもなります。とくにそれがある地方の出身者や民族などの特徴を表すものであればなおさらです。こういった場合その共有意識がきっかけとなって交流が始まることがあります。そうでなくても庭木や植物によって表される季節変化などを通して会話が弾むことはしばしば体験することです。

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住まいづくりとなわばり

個性的な住まいづくりがなわばりと関係するということを考えるために、ここで動物のなわばりというものについてみてみることとしましょう。動物のなわばりの例としてよく知られているものに鮎のなわばりがあります。鮎は繁殖期には自分の周囲に一定の広さの場所を確保し、そこに入ってくる雄の鮎には攻撃をしかけ、それを排除します。釣りの好きな人ならこの攻撃行動を利用したのが友釣りであることは知っているでしょうこのように繁殖期には多くの動物で、ある決まった場所に一定期間とどまり、その場所を他の動物(ふつうは同じ種の同性)から守るという行動がみられます。ところで、不動産に関するあらゆる情報は、←こちらから収集できます。この場所をなわばりといい、それに関係する行動をなわばり行動といいます。動物のなわばり行動は、他の動物に対する攻撃だけではありません。犬を飼ったことのある人なら当然ですが、そうした経験のない人でも、犬が散歩の途中にいたるところでおしっこをかけることは知っていると思います。あるいは、春になると梢に烏がとまって、よく通る声で鳴いているのを見かけることがあります。また、ヒヒでは群れの周辺部にいる雄が他の群れに向け、生殖器を誇示することがあります。こうした行動はどれも、その動物が「ここは自分のなわばりだぞ」ということの宣言(なわばり宣言)にほかならないのですが、その中でもっとも一般的なのが、犬の場合のように自分の尿や分泌液をそこに付着させるものです。

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なわばり

なわばりを示すなら、自分らしさを表すものの方が効果的では、なわばりの主張とその場所・空間を個性的に飾るということはどのように関係するのでしようか。なわばりというと私たちはヤクザや暴力団のなわばり争いをすぐに思い浮かべますが、なわばりはそれだけではありません。私たちは映画館や図書館などでは座席を確保するために雑誌や持ち物を置くことがよくあります。あるいは、行きつけの飲み屋のカウンターの席の一つを自分の席のように感じ、その店に行ったときには必ずそこに座り、誰かが先に座っているといやな気持ちになったりします。また典型的な例としては、花見の季節に新入社員が場所取りにかり出され、そこに縄をはったりゴザを敷いたりすることがあげられるでしょう。これらはどれも人のなわばりの例としてしばしばいわれるものです。たくさんの物件をこちらのサイトから→ご覧いただけます。ちなみに、なわばりの語源も神聖な場所に縄を張って周囲と区別したことにあるといいます。このような場所で私たちは「ここは私の場所である」ということを表すためにどういったことをするでしょうか。動物の場合のように、尿や分泌物こそ使いませんが、たいていの人は何か印になるものを使うはずです。これを領域指示物ということがあります。実験によれば、この領域指示物は雑誌などのような一般的な物よりも帽子や鞄などの個人の属性を表す物を使った方が効果的だということがわかっています。

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